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最先端の小形デジタルモバイル機器に内蔵されるコンデンサのほとんどは、積層セラミックコンデンサとタンタル電解コンデンサであるが、大容量化の方法は両者で多少異なる。積層セラミックコンデンサは誘電体の厚さを極限まで薄くし、耐電圧を下げ、積層数を増やすことで大容量化を進めてきている。一方、タンタル電解コンデンサは、コンデンサ素子を構成するタンタルパウダーを微粒子化することで大容量化を進めてきた。しかし、近年積層セラミックコンデンサの大容量化が急速に進み、2012サイズではタンタル電解コンデンサと競合するようになってきた。特に、一般的なタンタル電解コンデンサでは、電極を引き出すリードフレームによりコンデンサ素子の大きさが制約されるため、タンタル電解コンデンサが持つ収納容量のアドバンテージは、1年以下にまで迫られてきている。
リードフレームを有するタンタル電解コンデンサ(弊社F93,F92など)は、SMD(Surface-mounted device)のタンタル電解コンデンサとして最も広く使用されているもので、デジタルモバイル機器の小形化には不可欠な存在となっている。しかし、前述のとおり積層セラミックコンデンサの大容量化と量産効果による低価格化が進み、コンデンサのサイズ/容量の勢力図<図1>が大きく変わろうとしている。即ち、従来タンタル電解コンデンサが使用されてきた領域が積層セラミックコンデンサに置き換えられつつある。
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このためタンタル電解コンデンサは、積層セラミックコンデンサより、いかに収納容量面で優位性を持つかが課題である。つまり、タンタル電解コンデンサのコンデンサ素子を、いかに大きくするかが魅力のある商品開発のキーとなった。具体的には、前述のリードフレームを排し、コンデンサ素子の体積を大形化できるパッケージング技術、即ち「フレームレス」の構造が重要となった。この技術により収納容量で圧倒的な優位性を確保することが可能となる。
以下、「フレームレス」タンタル電解コンデンサとして開発してきた、高体積効率タンタル電解コンデンサについて、フレームレス樹脂外装形F95、フレームレス樹脂モールド下面電極形F98Mケース、製品高さ0.5mmを達成したF98Xケースへと順を追って説明する。
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コンデンサ版CSP(Chip Size Package)ということができる「樹脂外装形F95」は、最先端のパッケージ構造でありながらその歴史は古く、多くのセット機器に搭載されてきた実績があり、アナログ全盛時代からカード形ラジオなどに搭載されており、最近では携帯電話にも多く採用されている。また、MDプレーヤーやシリコンオーディオなどの音声出力回路にも採用され、音質面で非常に高い評価を得ている。
この「樹脂外装形F95」は、その構造により優れた周波数特性および大容量を特長としている。 この樹脂外装品は、フレームレス構造で、コンデンサ素子から直接電極を取り出す構造により、ESR/ESL特性面で優れた周波数特性をもつ。図3はタンタル電解コンデンサの各タイプの代表的な周波数特性を示したもので、樹脂外装形F95が最も低ESR/低ESLであり高性能であることがわかる。さらに、樹脂外装品はその歴史の中で順次進化を遂げ、開発当初は形状による実装不良問題を抱えていたが、改良により現在は極めて良好なハンドリング性が得られるようになった。今後もさらに、形状改良を進めていく一方、高さ0.8〜1.2mmの薄形大容量の地位を確立していく計画である。
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一方、「フレームレス樹脂モールド下面電極形タンタル電解コンデンサF98Mケース」は、次世代の超高密度実装対応品をターゲットとした。製品寸法は1608サイズ(L1.6×W0.85×H0.8mm)で、フレームレス構造により素子の体積を大きくとり、リードフレーム構造の2012サイズ(F92Pケース)相当のコンデンサ素子が収納できる。すなわち、外形寸法を縮小しても収納容量はF92Pケースとほぼ同じになる。2001年より6.3V-10μFを量産しており、現在同サイズで6.3V-22μFの量産化を進めている。また、組立工法に半導体製造技術を応用し、コンデンサ素子を高密度実装する生産方法により生産効率を飛躍的に向上させた。さらに廃棄材料を極力削減し、環境に優しい設計としている。
つづいて、1005サイズの積層セラミックコンデンサをデザインルールの基本とした回路用途として、大容量、安定した電気特性の特長を活かした、製品高さが0.5mmとなる業界最薄のタンタル電解コンデンサを開発した。この「薄形」品はF98Mケースをベースにしているが、製品高さ0.5mm品を開発するにあたり、収納するコンデンサ素子をいかに薄形化するかが最大のキーポイントであった。コンデンサ素子は、陽極となるタンタルパウダーの焼結体に、誘電体となる酸化皮膜を形成し、陰極となる固体電解質層と陰極引出層を形成している。まず、タンタルパウダーを始めとする材料開発から着手し、さらに各層の形成工程の管理条件を見直し、総合的な素子形成技術により開発した。一方、パッケージング技術はMケースで蓄積してきた技術を集約させ、低ストレスでかつ高精度の組立を実現し、高さ0.5mm1608サイズの大容量タンタル電解コンデンサ(L1.6×W0.85×H0.5mm。寸法許容差実力値±50ミクロン)を達成した。
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