《電極》
活性炭原料はヤシガラ、フェノール樹脂、石油コークス、ピッチなど、賦活の方法には水蒸気、KOH賦活があるが、これらは性能とコストのバランスで選択している。活性炭電極の製造方法は、活性炭をスラリー状にして集電極に塗工する方法と、活性炭に導電補助剤とバインダーを加えてシート状にして集電極に接着する方法などがあるが、当社は低抵抗でエネルギー密度の高い後者を採用している。
《電解液》
有機系の電解液には溶媒として、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどあるが、アセトニトリルは燃焼時にシアンガスの発生が懸念されるため弊社では使用していない。溶質は主にアンモニウム塩、アミン塩、アミジン塩などあるが、用途、性能、構造などにより選択し使用している。
不燃性で耐熱性の高いイオン液体も使用されるが、低温での粘度が高く、またコストの面でも課題がある。
有機系電解液は、製品内部に水分が存在すると分解電圧が低下してコンデンサの耐電圧を低下させるため、製造工程中のドライ環境が重要である。
電解液は、両極の表面に電気二重層を形成させる他に、両極間の電気的導通の役割を持っている。充放電では、電解液中を直流大電流が流れるため、導電率が低いと内部抵抗が大きくなり、内部発熱が大きくなる。また、電解液は静電容量、内部抵抗の特性変化として信頼性に影響を与えることから、性能改善を目的に新電解液による製品開発を行っている。図−3に新電解液による性能改善例を示す。
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| 〔図−3〕新電解液性能改善データ |
《構造》
大容量電気二重層コンデンサのセル構造には、円筒形、偏平形(角形)、ラミネート形などがある。円筒形はアルミ電解コンデンサの構造と同じで、電極とセパレータを重ね合わせて巻回した素子構造で、円筒形のアルミケースに収納し、電極端子を設けた封口板で密封している。偏平形(角形)は、電極とセパレータを交互に重ね合わせ、その一枚一枚の電極からリードタブを引き出し、外部端子に接続し、偏平形(角形)のアルミケースに収納して密封している。ラミネート形は積層数を少なくして、アルミラミネートフィルムで密封したもので、薄型形状となる。
《実装性》
実装上、円筒形はセル間の隙間がデッドスペースとなり充填効率が低いと思われがちであるが、実使用においては複数セルを直列に接続しモジュールとして使用するため絶縁性や放熱性を考慮しスペースが必要となる。セルの固定方法をスタッドボルト構造などで最適化することで円筒形故のデットスペースは装置全体として影響しない程度のスペースに留めることができる。
《低抵抗化巻取構造》
円筒巻回形はロール状の電極箔とセパレータを重ね合わせて巻軸で巻き上げることから、短時間での製造が可能であり生産性が高い。反面、集電極からの電極引き出し方法に技術のポイントがある。電極内部からアルミ引き出しタブを介して外部端子に接続する方法と、円筒素子の両端面から片電極ずつ露出させ、引き出し電極板を接続する方法とがある。当社ではアルミ引き出しタブ方式を採用している。内部抵抗を低減するために引き出しタブ数を多数接続する方法があるが、両面活性炭電極を使用する場合あらかじめタブ打ちする位置を寸法決めし、集電極露出箇所を作っておく必要がある。しかし、位置決めした位置は、巻き上げのテンションや材料厚みなどにより巻取りが進むにつれの誤差が蓄積され、多数のタブを同一線上に位置させることが困難であった。このため引き出しタブ位置は数本に限られ、内部抵抗を十分下げることができなかった。この問題を解決するため、活性炭電極は集電極の片面だけに形成し、その集電極が互いに向かい合うように2枚重ね合わせ、これを一方の電極とした。セパレータを介し同様に集電極を向かい合わせた2枚の電極を重ね合わせて巻き上げる構造とした。専用自動巻き取り機では、巻き軸に巻き上げられる直前に高精度で割り出した位置にタブを接続することで、多くのタブを引き出すことが可能となり、内部抵抗の大幅な低減を実現した。
図−4に新開発巻き取り構造と引き出しタブ本数と内部抵抗の関係を示す。
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| 〔図−4〕新巻き取り構造 |
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