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民生機器分野ではスマートフォンやタブレットPCに代表される小形/高機能モバイル端末の普及が爆発的に進み、搭載されるコンデンサにも小形/大容量が要求され、単位体積当たりの収納容量に優れるタンタル固体電解コンデンサを使用されるケースが多い。その中でも携帯電話や携帯ゲーム機等、人体の近傍で使用されるセットでは、安全性を向上させたタンタル固体電解コンデンサが望まれている。また、産業機器/車載分野においても、温度特性、バイアス特性に優れたタンタル固体電解コンデンサが必要な回路では、用途やセットメーカーの安全設計の意向によっては安全機構を持つタンタル固体電解コンデンサの使用が義務付けられるケースがある。従来の安全機構付き品は単位体積当たりの収納容量効率が低く、必要な耐圧と容量を確保するためには大サイズ品を使用せざるを得ず、結果として回路基板サイズの増大を招いてしまうため、回路設計者からは安全機構付きの小形大容量パッケージが望まれている。
一般的な安全機構付きタンタル固体電解コンデンサは、コンデンサ内部素子と外部電極となるリードフレームとの間にヒューズ機能を持たせた部材を挿入する構造をとっている(図2-1参照)。模式図からも明らかなように、ヒューズ部材を内蔵することで同一パッケージ内に収納できるコンデンサ素子のサイズは大幅に小さくなり、タンタル固体電解コンデンサの長所である小形/薄形/大容量特性が損なわれていた。
今回当社は、上記課題を解決するための新構造を採用し「安全機構付きタンタル固体電解コンデンサ」を開発した。新構造は、当社のフレームレス樹脂モールド下面電極品F98シリーズを基本構造としてヒューズ機能を持たせた超小形部材を電極基板に内蔵することで、従来品(F98シリーズ)から収納容量効率を下げることなく、小形/大容量と安全性を両立したものである(図2-2参照)。すなわち、ヒューズを内蔵しながら、従来のF98シリーズと同等の製品ラインナップを実現しており、製品寸法1608サイズ(L1.6×W0.85×H0.8mm)で10〜25V、1〜33uF、2012サイズ(L2.0×W125×H0.8mm)で10〜35V、1〜47uFの収納を実現した。例えば、従来の他社品が10V-22uFを収納するのに3216サイズが必要であるのに対し、当社開発品では同定格を2サイズ小形の1608サイズに収納することが可能となった。
また、当社開発品の特長として、良好な溶断特性が挙げられる(図2-3参照)。他社品と比較し、低い電流値でも短時間で溶断する優れたヒューズ特性を備えており、回路電流が比較的小さいスマートフォンや通信モジュールにおいても、安定した溶断特性を発揮できる。さらに、当社開発品は内蔵するヒューズ部材の材質/形状/内蔵方法等を最適化したことで、良好な周波数特性も兼ね備えている(図2-4参照)。従来の他社ヒューズ品と比較し、大幅に低いESR/インピーダンス特性を実現しており、当社従来品(F98シリーズ ヒューズ無し品)とも遜色ないレベルである。総括すると、当社が開発した新構造安全機構付きタンタル固体電解コンデンサは、業界最高水準の収納容量を持つF98シリーズの長所に加え、課題であった安全性能をも向上した理想的なタンタル固体電解コンデンサといえる。
これまで述べてきたとおり、当社が開発した安全機構付きタンタル固体電解コンデンサは、タンタル固体電解コンデンサの固定概念を払拭し、新たな市場拡大に一石を投じるものとえる。スマートフォンをはじめとするデジタルモバイル機器の小形/薄形/高機能化に貢献する注目の部品として、既に多くの引き合いがあり、今後も要求に応じた定格拡大を中心に商品開発を進めていく計画である。
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